みちのくの手仕事。東北地方の伝統工芸品一覧

冬は寒さが厳しく雪に覆われ、都からも遠い東北では、独自の工芸品が多く生まれました。
そこで今回は、東北地方に伝わる伝統的工芸品を一覧でご紹介します。

関連記事:日本全国の伝統的工芸品一覧(都道府県別)

【目次】
青森県の伝統工芸品
 1.津軽塗
岩手県の伝統工芸品
 2.南部鉄器
 3.岩谷堂箪笥
 4.秀衡塗
 5.浄法寺塗
宮城県の伝統工芸品
 6.宮城伝統こけし
 7.雄勝硯
 8.鳴子漆器
 9.仙台箪笥
秋田県の伝統工芸品
 10.樺細工
 11.川連漆器
 12.大館曲げわっぱ
 13.秋田杉樽桶
山形県の伝統工芸品
 14.山形鋳物
 15.置賜紬
 16.山形仏壇
 17.天童将棋駒
 18.羽越しな布
福島県の伝統工芸品
 19.大堀相馬焼
 20.会津本郷焼
 21.会津塗
 22.奥会津編み組細工

青森県の伝統工芸品

1.津軽塗

青森県で生産されている、津軽塗。
「唐塗」等、独特な模様が特徴の漆器です。

津軽塗は17世紀の終わり頃、津軽藩主の津軽信政が経済政策の一環として漆工芸を奨励したのが起源とされています。

津軽塗は、蒔絵などを用いずに漆で模様を描いていきます。
塗り方にも様々なバリエーションがあり、特に「唐塗」「ななこ塗」「錦塗」「紋紗塗」の4種が代表的な技法とされています。
中でも特徴的な模様の唐塗は、漆に卵白を混ぜて粘りを出し、ヘラで凹凸をつけた上に色漆を重ねていきます。

産地情報

名称 青森県漆器協同組合連合会
住所 〒036-8061
青森県弘前市大字神田2-4-9
弘前市伝統産業会館内
電話 0172-35-3629

岩手県の伝統工芸品

2.南部鉄器

南部鉄器とは岩手県(盛岡市、奥州市)で主に生産される鉄器で、伝統的工芸品にも指定されています。

関連記事:南部鉄器の取り扱い方や保管方法、洗い方について。鉄瓶と鉄鍋、急須。

奥州市で作られていた南部鉄器は11世紀、藤原清衝が近江の鋳物師を呼び寄せ、生産を始めたのが起源とされています。
また、盛岡市で作られていた南部鉄器は16世紀、盛岡藩の奨励によって生産が開始されました。
その後、昭和に入るとこの2つを総称し、南部鉄器と呼ぶようになりました。

南部鉄器は重厚で丈夫な鉄で作られており、何世代にも渡って使うことが出来ます。
最近では、カラフルに彩られた鉄瓶が海外で注目され、話題となりました。

産地情報

名称 岩手県南部鉄器協同組合連合会
住所 〒020-0055
岩手県盛岡市繋字尾入野64-102
盛岡手づくり村内
電話 019-689-2336

3.岩谷堂簞笥

岩谷堂簞笥とは岩手県(盛岡市、奥州市)で主に生産される伝統的工芸品です。
堅牢な箪笥で、南部鉄器を用いる金具に特徴があります。

岩谷堂箪笥は18世紀に生産が始まり、彫刻などの技術とともに発展してきました。

岩谷堂箪笥は欅や桐などの良質な材料を用います。
また、金具には手打ち彫りのものと南部鉄器を使うものがあり、これに美しい彫刻が施されます。

産地情報

名称 岩谷堂箪笥生産協同組合
住所 〒023-1131
岩手県奥州市江刺区愛宕字海老島68-1
電話 0197-35-0275

4.秀衝塗

秀衡塗とは岩手県(盛岡市、花巻市、一関市、奥州市、滝沢市、西磐井郡平泉町)で主に生産される伝統的工芸品です。
金箔を用いる、重厚感のある漆器です。

秀衝塗は12世紀、奥州藤原氏の日用道具としてつくらせたのが起源とされています。
「秀衝塗」という名前は三代目の秀衝にちなむものですが、この呼び名になったのは明治以降で、それ以前は南部塗と呼ばれていました。

金色堂で有名な奥州藤原氏らしく、秀衝塗には金箔が用いられます。
秀衝文様といわれる、源氏雲の上に金箔の有職菱文が描かれ、草花をあしらう絵柄が特徴的です。

産地情報

名称 岩手県漆器協同組合
住所 〒029-0523
岩手県一関市大東町摺沢字但馬崎10
(株)丸三漆器内
電話 0191-75-3153

5.浄法寺塗

浄法寺塗とは岩手県(盛岡市、八幡平市、二戸市、滝沢市)で主に生産される伝統的工芸品です。
漆の産地としても有名な浄法寺らしく、上質な塗りの漆器です。

浄法寺塗の起源は8世紀に建立された天台寺の僧侶が、日常使いの漆器を造り始めたのが起源とされています。
漆の木の産地だったこともあり、有数の漆器産地として繁栄していきました。
現在では日本で生産される漆の7割以上が浄法寺で生産される漆となっています。

浄法寺は漆の産地でもある為、上質な国産漆を用いた製品が作られます。
このこともあり、漆本来の美しさを味わってもらう為に余分な装飾は施さず、無地のシンプルな製品が多いです。

産地情報

名称 岩手県漆器協同組合
住所 〒029-0523
岩手県一関市大東町摺沢字但馬崎10
(株)丸三漆器内
電話 0191-75-3153

宮城県の伝統工芸品

6.宮城伝統こけし

kokeshi
こけしは江戸時代の後期、東北地方で作られ始めました。
東北の木地職人が、端材でおもちゃを作ったのが起源とされています。

その後東北の温泉地で土産物として販売されるようになり、現在では東北だけにとどまらず、全国で土産物として目にするようになりました。

当初は子ども用のおもちゃとして、着物を着せたりおんぶして遊んだり、現在の人形のように遊んでいました。
大正時代からは大人が鑑賞する工芸品として集める人が増加しています。

関連記事:第三次ブーム到来!こけし好き女子、通称こけ女が急増中。全国こけし祭り情報も!

7.雄勝硯

雄勝硯とは宮城県(仙台市、石巻市)で主に生産される伝統的工芸品です。
美しい黒と光沢が人気の硯です。

雄勝硯は16世紀頃から生産が始まっており、その品質の高さは伊達政宗も賞賛するほどでした。
その後は伊達藩のお抱えの産業となり、手厚い保護を受け発展していきました。

黒色硬質粘板岩である雄勝硯は、その美しい光沢と黒さ、丈夫さが人気となっています。

産地情報

名称 雄勝硯生産販売協同組合
住所 〒986-1333
宮城県石巻市雄勝町雄勝53-1
雄勝町インフォメーションセンター内
電話 0225-57-2632

8.鳴子漆器

鳴子漆器とは宮城県(大崎市)で主に生産される伝統的工芸品です。
元々は温泉街のお土産として誕生した漆器です。

鳴子漆器は17世紀頃、温泉に来た客向けのお土産品として生産が始まりました。

温泉街のお土産として生産されていた鳴子漆器の特徴として、日常で手軽に使ってもらえるように丈夫でシンプルな造りになっていることがあげられます。
派手な装飾は施さずに、美しい木目を楽しむことが出来るシンプルな透漆(すきうるし)の技法が用いられる「木地呂塗(きじろぬり)」のほか、「紅溜塗(べにためぬり)」や「流文塗(りゅうもんぬり)」などがあります。

産地情報

名称 鳴子漆器協同組合
住所 〒989-6822
宮城県大崎市鳴子温泉字新屋敷122−2
鳴子総合支所 観光建設課
電話 0229-83-3628

9.仙台簞笥

仙台簞笥とは宮城県で主に生産される伝統的工芸品です。
堅牢な箪笥で、飾り金具で装飾が施されています。

仙台箪笥は19世紀、藩の奨励によって生産が拡大していきました。

仙台箪笥は主に一般家庭に置かれる生活財として用いられていました。
鉄の飾り金具がつくのが特徴で、その堅牢さと美しさから海外にも輸出されていました。

産地情報

名称 仙台箪笥協同組合
住所 〒989-3121
宮城県仙台市青葉区郷六字葛岡下10-4(有)長谷部漆工内
電話 022-302-1505

秋田県の伝統工芸品

10.樺細工

樺細工とは秋田県(仙北市)で主に生産される伝統的工芸品です。
桜の木の皮を剥ぎ、それを用いて木工品を作ります。

樺細工が現在の形で生産されるようになったのは18世紀頃で、下級武士の副業として生産されていました。

樺細工は桜の木の皮を用いて生産されます。
その美しい皮目を活かして作られることから、同じ形でも一個一個の製品の印象が変わってきます。

産地情報

名称 角館工芸協同組合
住所 〒014-0352
秋田県仙北市角館町外の山18
電話 0187-53-2228

11.川連漆器

川連漆器とは秋田県(湯沢市)で主に生産される伝統的工芸品です。
非常に丈夫な漆器で、日常の器としても人気です。

川連漆器は13世紀頃、稲庭藩主の小野寺重道の弟、道則が武具への漆塗りを家臣に命じたのが起源とされています。
その後江戸時代に入ると椀物も生産されはじめ、丈夫で手頃な漆器として人気となりました。

川連漆器は柿渋を用いる渋下地を使用する為、価格を抑えながらも非常に丈夫な漆器として人気です。
塗りの質も高く、手になじむ形もあいまって、日常使いの器として最適です。

産地情報

名称 秋田県漆器工業協同組合
住所 〒012-0105
秋田県湯沢市川連町字大舘中野142-1
電話 0183-42-2410

12.大館曲げわっぱ


大館曲げわっぱは、秋田県大館市の伝統工芸品です。
弾力性に富んだ天然の秋田杉を使用したこの美しい白木の器は、中に詰めた食材の水分をほどよく吸い、時間が経ってもおいしく食べられるという特性を備えています。

曲げわっぱは、薄板を熱湯で曲げやすくして、それを輪っか状にして作られます。
合わせ目は樺や桜の皮で綴じられています。

主な用途は弁当箱や米びつ。
軽いから持ち運びに便利で、吸湿性があるのでご飯やおかずが長持ちします。
木の香りがご飯に移り、食欲をそそるという効果も。

吸湿性は落ちますが、漆塗りの曲げわっぱなら耐久性を兼ね備えています。
最近では扱いやすいウレタン塗装の曲げわっぱも一般的です。
木目の美しさも曲げわっぱの大きな魅力です。

関連記事:曲げわっぱ入門!お弁当箱手入れ方法は?曲げわっぱの作り方と、どこで買えるか情報も。

13.秋田杉桶樽

秋田杉桶樽とは秋田県で主に生産される伝統的工芸品です。
名前の通り秋田杉を原料とした樽で、人気となっています。

秋田杉樽桶は16世紀頃から生産されていました。
18世紀前半には藩の保護のもとで生産が拡大し、産地として形成されていきました。

秋田杉樽桶は柾目の材料を用いて作られます。
竹や銅などを用いてきつく締める為、長く使うことができ、その美しさにも定評があります。

産地情報

名称 秋田杉桶樽協会
住所 〒017-0012
秋田県大館市釈迦内字土肥17-3
有限会社日樽内
電話 0186-48-4153

山形県の伝統工芸品

14.山形鋳物

山形鋳物とは山形県(山形市)で主に生産される鋳物で、伝統的工芸品にも指定されています。

山形鋳物の歴史は古く、11世紀まで遡ります。
前九年の役の際に源頼義に連れられてきた鋳物職人がこの地で良質の土を発見し、生産を始めたのが起源とされています。
鉄瓶や花器などの日用品から、美術品やアクセサリーの美術工芸品まで、様々な製品が作られています。

産地情報

名称 山形鋳物伝統工芸組合
住所 〒990-0051
山形県山形市銅町2-1-21
株式会社 雅山 内
電話 023-632-3432

15.置賜紬

置賜紬とは山形県(米沢市、長井市、西置賜郡白鷹町)で主に生産される伝統的工芸品です。
先染の平織で作る織物で、素朴な風合いが特徴です。

置賜紬は、8世紀の初めに上杉景勝の奨励によって産地として確立されたのが起源とされています。
もともと白鷹町、長井市、米沢市で古くから織られていた織物を、伝統的工芸品として指定する際に「置賜紬」として名称を統一しました。

平織りで先染の織物で、更に地域ごとに特徴があり、白鷹町は米琉板締小絣や白鷹板締小絣、長井市は緯総絣や併用絣、米沢市は草木染紬と紅花染紬が主に生産されてきました。

産地情報

名称 置賜紬伝統織物協同組合
住所 〒992-0003
山形県米沢市窪田町窪田2885-5
電話 0238-37-2803

16.山形仏壇

山形仏壇とは山形県(山形市、天童市、尾花沢市、酒田市)で主に生産される仏壇で、伝統的工芸品にも指定されています。

山形仏壇は18世紀、江戸で仏壇製作を学んだ後藤茂右衛門が帰郷後に仏具を作り始めたのが起源とされています。
その後、漆や蒔絵を施す職人や飾りを施す職人を集めて本格的な仏壇となり、生産が拡大していきました。

仏壇の産地として最北端の山形仏壇は、豪華で堅牢な仏壇で、美しい木目を出す塗りも特徴的です。

産地情報

名称 山形県仏壇商工業協同組合
住所 〒990-2431
山形県山形市松見町8-11
電話 023-632-1516

17.天童将棋駒

天童将棋駒とは山形県(天童市、山形市、村山市)で主に生産される伝統的工芸品です。
日本一の生産量を誇り、多種多様な製品が作られています。

天童将棋駒は江戸時代の後期、藩の経済政策の一環として生産が開始されたのが起源とされています。

天童将棋駒には「押し駒」、「書き駒」、「彫り埋め駒」、「盛り上げ駒」といった種類があり、大衆向けから高級なものまで様々な製品が作られ、将棋駒の生産量日本一を誇ります。

産地情報

名称 山形県将棋駒協同組合
住所 〒994-0013
山形県天童市老野森1-3-28
天童商工会議所内
電話 0236-54-3511

18.羽越しな布

羽越しな布とは山形県鶴岡市、新潟県村上市で主に生産される伝統的工芸品です。
羽越地方の山間部に生育するシナノキの樹皮から靱皮(じんぴ)を剥ぎ取り、それを1年近い時間をかけながら糸に加工した後に織り上げるもので、日本三大古代織の一つとなっています。(他の二つは芭蕉布、葛布)

羽越しな布の起源は古く、古代日本までさかのぼります。はっきりとした時代は特定されていませんが、縄文時代や弥生時代から草木の繊維を用いた織物が作られていたので、大体その頃であるとされています。

羽越地域に生息するシナノキやオオバボダイジュ、ノジリボダイジュを糸の原料としており、水に強く丈夫な織物です。
強靭な繊維ということから、生活の様々な場面(作業着や袋、漁網など)に利用されていました。

産地情報

名称 羽越しな布振興協議会
住所 〒999-7315
山形県鶴岡市関川字向222
関川しな織センター内
電話 0235-47-2502

福島県の伝統工芸品

19.大堀相馬焼

大堀相馬焼とは福島県(双葉郡浪江町)で主に生産される陶器です。

大堀相馬焼は江戸時代、中村藩士の半谷休閑が大堀で陶土を発見し、下男の左馬に命じて器を焼き始めたのが起源とされています。
その後相馬藩の保護により、100以上の窯元が並び、東北地方で最大の産地となりました。

大堀相馬焼は、青磁釉(青みがあり透明感のある釉薬)を用いた陶器が有名です。
また、表面にランダムに現れる「青ひび」や、「走り駒」の意匠、「二重焼」の技法が特徴とされています。

産地情報

名称 大堀相馬焼協同組合
住所 〒〒969-1513
福島県二本松市小沢字原115-25
陶芸の杜おおぼり 二本松工房内
電話 0243-24-8812

20.会津本郷焼

福島県の伝統工芸品、会津本郷焼。
会津本郷焼は16世紀の終わり頃、薩摩の瓦工を呼び、鶴ヶ城の屋根瓦を作らせたのが起源です。
その後瀬戸の陶工”水野源左衛門”を呼び技術を発展させ、”佐藤伊兵衛”が現在の会津本郷焼の基礎を築きました。

陶器だけでなく、良質な陶石が採れることから磁器作りも行われています。
産地としては、明治時代から電線の絶縁の為に用いられる”がいし”というものの生産も行っており、産地の柱となってきました。

現在は14の窯元が有り、伝統を現在につなげています。

産地情報

名称 会津本郷焼事業協同組合
住所 〒969-6042
福島県大沼郡会津美里町瀬戸町甲3162
電話 0242-56-3007

21.会津塗

会津塗とは福島県で主に生産される伝統的工芸品です。
16世紀頃から生産されており、海外にも輸出される漆器です。

会津塗は16世紀、戦国時代に領主となった蒲生氏郷(かもううじさと)が前の領地(現:滋賀県)から職人を呼び寄せて生産を始めたのが起源とされています。

会津塗には独特の技法が多く、水あめに金粉を混ぜて後で水あめだけ洗いとる「消金粉(けしきんぷん)」や色粉で絵柄を描く「朱磨き」などがあります。
絵柄にも「会津絵」という独自のものがあり、これは檜垣、松竹梅、破魔矢を組み合わせて描かれます。

産地情報

名称 会津漆器協同組合
住所 〒965-0042
福島県会津若松市大町1-7-3
福島県伝統産業会館 内
電話 0242-24-5757

22.奥会津編み組細工

奥会津編み組細工とは福島県(大沼郡三島町)で主に生産される伝統的工芸品です。
冬季の間の仕事として発展し、籠などの製品が作られています。

奥会津編み組細工は18世紀頃から生産が始まったとされ、自家用の農作業道具や籠などが作られていました。
また、奥会津編み組細工は主にヒロロ細工、山ブドウ細工、マタタビ細工に分類されます。

産地情報

名称 奥会津三島編組品振興協議会
住所 〒969-7402
福島県大沼郡三島町大字名入字諏訪ノ上395番地
三島町生活工芸館内
電話 0241-48-5502



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