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焼き物一覧|陶器・磁器の違いと産地別の特徴まとめ|日本の器大辞典

焼き物
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4.六古窯以外の焼き物産地

前述の六古窯以外にも、日本には様々な焼き物の産地があります。
伝統的工芸品に指定されている焼き物産地と、その特徴をご紹介します。

 4-1. 大堀相馬焼

大堀相馬焼とは福島県(双葉郡浪江町)で主に生産される陶器です。

大堀相馬焼は江戸時代、中村藩士の半谷休閑が大堀で陶土を発見し、下男の左馬に命じて器を焼き始めたのが起源とされています。
その後相馬藩の保護により、100以上の窯元が並び、東北地方で最大の産地となりました。

大堀相馬焼は、青磁釉(青みがあり透明感のある釉薬)を用いた陶器が有名です。
また、表面にランダムに現れる「青ひび」や、「走り駒」の意匠、「二重焼」の技法が特徴とされています。

産地情報

名称 大堀相馬焼協同組合
住所 〒〒969-1513
福島県二本松市小沢字原115-25
陶芸の杜おおぼり 二本松工房内

4-2. 会津本郷焼

福島県の伝統工芸品、会津本郷焼。
会津本郷焼は16世紀の終わり頃、薩摩の瓦工を呼び、鶴ヶ城の屋根瓦を作らせたのが起源です。
その後瀬戸の陶工”水野源左衛門”を呼び技術を発展させ、”佐藤伊兵衛”が現在の会津本郷焼の基礎を築きました。

陶器だけでなく、良質な陶石が採れることから磁器作りも行われています。
産地としては、明治時代から電線の絶縁の為に用いられる”がいし”というものの生産も行っており、産地の柱となってきました。

現在は14の窯元が有り、伝統を現在につなげています。


会津本郷焼で有名なのが、ニシンを漬ける為の”ニシン鉢”です。
主に飴色の釉薬が用いられ、その民芸的な美しさから1958年のブリュッセル万国博覧会ではグランプリも受賞しています。

また、近年では特徴的な青色の磁器が人気となっています。
美しいグラデーションのポイントは釉薬の2度がけです。

まずは青を発色するコバルトを含んだ釉薬をかけます。
このまま焼いてしまうと黒に近い青になってしまう為、2回目に石灰を含んだ釉薬をかけ、美しい青色を発色させるのです。

産地情報

名称 会津本郷焼事業協同組合
住所 〒969-6042
福島県大沼郡会津美里町瀬戸町甲3162

 4-3. 笠間焼

笠間焼とは茨城県(笠間市)で主に生産される伝統的工芸品です。
丈夫で使い勝手がよく、新しい作品が多いのが特徴の陶器です。

笠間焼は18世紀頃、久野半右衛門道延という人物が近江の陶工を招き、陶器を作り始めたのが起源とされています。
江戸に近いため、大量生産を行い規模を拡大していきました。

現在の笠間焼の特徴として、様々な職人が自由に革新的な商品を生産していることがあげられます。
また、焼き上がりは強度が高く、丈夫で使いやすいのも特徴です。

産地情報

名称 笠間焼協同組合
住所 〒309-1611
茨城県笠間市笠間2481-5

 4-4. 益子焼

益子焼とは栃木県(芳賀郡益子町、真岡市、市貝町、茂木町)で主に生産される伝統的工芸品です。
重厚感がありつつも、繊細な質感が特徴の陶器です。

益子焼は、1853年に大塚啓三郎が現在の益子町に窯を開いたのが起源とされています。
主に鉢や壷などを生産していましたが、昭和に入り濱田庄司が食器や花器を作り始めたことにより、広く普及していきました。

益子焼は、釉薬を犬毛筆で塗りつける為に、重厚感のある見た目になります。

産地情報

名称 益子焼協同組合
住所 〒321-4217
栃木県芳賀郡益子町益子4352-2

 4-5. 九谷焼

九谷焼とは石川県(金沢市、小松市、加賀市、能美市)で主に生産される伝統的工芸品です。
「絵付けなくして九谷無し」と言われるほど、絵付けで人気を博す磁器です。

17世紀の中頃、加賀の支藩である大聖寺藩の藩主、前田利治が錬金職人の後藤才次郎に命じ、肥前有田の地で製陶の技術を学ばせました。
才次郎の帰郷後に九谷の地で窯を開き、磁器を作り始めたのが九谷焼の起源です。
ところが、50年程で窯は閉じられ、完全に生産は途絶えてしまいます。
(この初期に作られたものを古九谷(こくたに)と言います)

そして80年程経った後に復興され、職人達の尽力により現在まで繁栄していくのです。

九谷焼は、「絵付けなくして九谷無し」という言葉があるように、その上絵付けに最大の特徴があります。
主に緑、黄、赤、紫、紺青の和絵具で描かれ、豪快な構図から精緻で細かい絵まで様々な技法があります。

産地情報

名称 石川県九谷陶磁器商工業協同組合連合会
住所 〒923-1111
石川県能美市泉台町南13番地
石川県九谷会館(九谷陶芸村)内

 4-6. 美濃焼

美濃焼とは岐阜県(多治見市、瑞浪市、恵那市、土岐市、可児市、可児郡御嵩町)で主に生産される伝統的工芸品です。
日本で生産される陶磁器の50%以上のシェアをしめており、日本の代表的な焼物とされています。

美濃焼は、5世紀頃に作られていた須恵器をルーツとしています。
10世紀頃には白瓷(しらし)という灰釉の陶器を生産し、知名度が上昇しました。
16世紀には織田信長の経済政策によって職人の数が増え窯の規模も増大し、一大産地となりました。

美濃焼は日本一の生産量を誇っています。
規模が大きい為工房や問屋が多く存在し、多種多様な製品が作られています。
伝統的工芸品として指定されているのは以下の15種類です。

  • 志野
  • 織部
  • 黄瀬戸
  • 青磁
  • 瀬戸黒
  • 赤絵
  • 染付
  • 粉引
  • 天目
  • 御深井
  • 飴釉
  • 美濃伊賀
  • 美濃唐津
  • 灰釉
  • 鉄釉

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産地情報

名称 美濃焼伝統工芸品協同組合
住所 〒509-5142
岐阜県土岐市泉町久尻1429-8
美濃焼伝統産業会館内

 4-7. 赤津焼

赤津焼とは愛知県(瀬戸市)で主に生産される伝統的工芸品です。
7種の釉薬と12種の技法を駆使して作られる、多彩な装飾が特徴の陶器です。

赤津焼の歴史は古く、平安時代まで遡ります。
戦国時代には職人が美濃地方に移ってしまい存続の危機に立たされますが、徳川家康が名古屋開府の際に職人を呼び戻したことにより、再び焼物の産地としての地位を確立しました。

赤津焼の特徴は、下記の7種の釉薬(灰釉、鉄釉、古瀬戸釉、黄瀬戸釉、志野釉、織部釉、御深井釉)が用いられる多彩な装飾にあります。

産地情報

名称 赤津焼工業協同組合
住所 〒489-0022
愛知県瀬戸市赤津町94-4

産地情報

名称 京都陶磁器協同組合連合会
住所 〒607-8322
京都府京都市山科区川田清水焼団地町6-2
コーポきよみず103

 4-11. 出石焼

出石焼とは兵庫県(豊岡市)で主に生産される伝統的工芸品です。
他に類をみないほどの、最高峰の白さを誇る磁器です。

出石焼は18世紀、泉屋治朗兵衛と伊豆屋弥左衛門という人物が出石町に窯を開いたことが起源とされています。
その後は有田の職人に技術を学び、柿谷、谷山にて良質な陶石を発見。
一時は衰退の危機に陥るも19世紀に現在の透き通るような白磁を生産出来るようになり、一躍人気となりました。

出石焼は、その白さに特徴があり、その純白は「白すぎる白」とも評されます。
その表面に精緻な文様が施され、気品のある仕上がりとなっています。

産地情報

名称 出石焼陶友会
住所 〒668-0214
兵庫県豊岡市出石町内町104-7
NPO法人但馬国出石観光協会内

 4-12. 石見焼

石見焼とは島根県(江津市、浜田市、益田市、大田市、鹿足郡津和野町)で主に生産される伝統的工芸品です。
大型の水かめの生産でも知られる陶器です。

石見焼は18世紀頃から生産されており、特に大型の水かめなどは北前船で全国に輸出されていました。

石見焼の原料になる陶土は非常に耐久性に優れ、大型の製品が数多く生産されています。
とくに水かめや漬物用の壷などは日本でも最大規模の生産高となっています。

産地情報

名称 石見陶器工業協同組合
住所 〒699-2841
島根県江津市後地町1315
石州嶋田窯内

 4-13. 萩焼

萩焼とは山口県(萩市、長門市、山口市、阿武郡阿武町)で主に生産される伝統的工芸品です。
控えめな色味と装飾でありながら、細かい部分までこだわった質の高い陶器で、根強い人気を誇ります。

萩焼は17世紀の初め、藩主である毛利輝元の命によって御用窯が開かれたのが起源です。
その後昭和に入ると西洋化によって存続の危機に立たされますが、10代目三輪休雪という人物が白い萩焼を開発し、再び人気に火がつきました。
この功績が称えられ、10代目三輪休雪は後に人間国宝に指定されました。

萩焼はシンプルな外見ながらその質の高さから根強いファンを持ちます。
また、原料の陶土と釉薬によって引き起こされる「貫入(かんにゅう)」という、細かいヒビの様な模様が特徴です。
長年萩焼を使用すると、その貫入にお茶の成分などが染みこみ、また違った風合いに変化していきます。
上記の現象を「萩の七化け(はぎのななばけ)」といい、ファンが多い理由の一つとなっています。
また器の底の高台(こうだい)に切り込みがあるのも特徴で、職人によって様々な形になっています。

産地情報

名称 萩陶芸家協会
住所 〒758-8555
山口県萩市大字江向510
萩市商工観光部商工課萩焼・陶芸係内

 4-14. 大谷焼

徳島県(鳴門市)で主に生産される伝統的工芸品、大谷焼。

大谷焼は18世紀、豊後からやってきた職人の文右衛門という人物が赤土を用いて焼き始めたのが起源とされています。
その後は藩主の蜂須賀治昭公が九州の職人を呼び寄せ、上記とは別で窯を開き、磁器も生産されるようになりましたが、原材料の取り寄せに費用がかかり3年ほどで廃窯してしまいます。

その後、藩の藍商人が自分の弟に信楽焼の技術を学ばせ、登り窯を築きます。
こうして水かめや藍染に用いるかめの生産を開始し、現在の大谷焼の起源となりました。

現在は6件の窯元が大谷焼の生産を行っています。

大谷焼は、巨大な水かめなどを作る際、寝ろくろという独自の技法を用います。
一人が地面に寝ながら足でろくろを回し、もう一人が上で形を作っていきます。
原料の陶土には鉄分が多く含まれ、独特の光沢を持ちます。

産地情報

名称 大谷焼陶業協会
住所 〒779-0302
徳島県鳴門市大麻町大谷字西台3番地
大麻町商工会内

 4-15. 砥部焼

工芸
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