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奥の細道「立石寺」原文と現代語訳・解説|有名句・閑かさや岩にしみ入る蝉の声

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松尾芭蕉が書いた紀行・俳諧文学として知られる「おくのほそ道」。
今から300年以上も前、1702年に書かれたものです。

今回はそんな高校古典の教科書にも出てくる奥の細道の中から「立石寺(りゅうしゃくじ)」について詳しく解説していきます。

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奥の細道「立石寺」の解説

奥の細道でも有名な、「立石寺」について解説していきます。

奥の細道「立石寺」の原文

山形領に立石寺といふ山寺あり。
慈覚大師の開基にして、ことに清閑の地なり。
一見すべきよし、人々の勧むるによりて、尾花沢よりとつて返し、その間七里ばかりなり。

日いまだ暮れず。
ふもとの坊に宿借りおきて、山上の堂に登る。
岩に巌を重ねて山とし、松柏年旧り、土石老いて苔滑らかに、岩上の院々扉を閉ぢて物の音聞こえず。
岸を巡り、岩をはひて、仏閣を拝し、佳景寂寞として心澄みゆくのみ覚ゆ。

閑かさや岩にしみ入る蝉の声

奥の細道「立石寺」の現代語訳

山形領に立石寺という山寺がある。
慈覚大師の創建した寺で、とりわけ清く静かな地である。
一度見るほうがよいと、人々が勧めるので、尾花沢から(予定を変えて)逆戻りし、その(山寺までの)間は七里ぐらいの距離である。

日がまだ暮れない(うちに着いた)。
麓の宿坊に宿を借りておいて、山上にある堂に登る。
岩に岩を重ねて山となっており、松や柏などが樹齢を重ねて、土石も古びて苔が滑らかに(覆っていて)、岩山の上の幾つもの支院は全て扉を閉じていて、物音一つ聞こえない。
断崖を巡り、岩をはうようにして、寺院を参詣すると、素晴らしい景観はひっそりと静まりかえって、心が澄みきってゆくのだけが感じられる。

なんという静寂であろう。その静寂の中で、蝉の声だけが岩にしみこんでゆくように感じられる。

奥の細道「立石寺」の単語・語句解説

[清閑の地なり]
清らかでもの静かな土地。

[一見すべきよし]
一度見るほうがよい。

[岩に巌を重ねて]
岩に岩を重ねて。

[松柏年旧り]
松や柏などが年をとって。

[覚ゆ]
思われる。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は奥の細道でも有名な、「立石寺(りゅうしゃくじ)」についてご紹介しました。
松尾芭蕉を代表する俳句「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」も出てきましたね。

その他については下記の関連記事をご覧下さい。

[関連記事]
松尾芭蕉の人生と俳句
おくのほそ道「平泉」
おくのほそ道「那須野」
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