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古典文法の助動詞「連用形接続」を解説!活用表・意味・接続を復習しよう

連用形接続の助動詞・7つの覚え方
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古文の学習をする際、避けて通れないのが古典文法の助動詞です。
活用や接続の種類も多く、覚えにくい分野でもあります。

しかしその分、周りと差をつけられるポイントもたくさん。
覚えるべきポイントと暗記のコツを押さえることで、ぐっと得点を伸ばしていける部分でもあります。

この記事では、助動詞のなかでも「連用形接続」の7つについて解説。
要点がまとまった画像とテキスト両方で説明をしているので、テスト前の確認や授業の予習・復習などに活用してみてください。
助動詞をマスターできると現代語訳もスムーズになり、内容読解も楽しくできるようになりますよ!

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助動詞とは

付属語で活用のある語を「助動詞」と言います。
・主に用言を補助する
・一定の意味を添える
・話し手(書き手)の判断を示す
役割を果たします。

助動詞は、「3点セット」で確認するのが大切です。

[活用表]
活用表を覚えておくと、どの活用形出てきても意味がわかるようになります。

[接続]
助動詞は決まった語形に接続します。接続を知っておくと別の言葉との識別できます。

[意味]
助動詞はそれぞれ意味をもっているので、内容読解の助けになります。

ここでは、助動詞の「連用形接続」をご紹介。活用・接続・意味を画像とテキストで説明するので、3点セットを意識して確認してみてください。

連用形接続の助動詞

連用形接続の助動詞は、以下の7つがあります。

過去の助動詞「き」
過去・詠嘆の助動詞「けり」
強意・完了の助動詞「つ」
強意・完了の助動詞「ぬ」
存続・完了の助動詞「たり」
希望の助動詞「たし」
過去推量の助動詞「けむ」

連用形接続の助動詞は、語呂合わせで覚えましょう。
「つねったり けりたいなんて きけんだよ」
つ・ぬ・たり・けり・たし・(なんて)・き・けむ・(だよ)
連用形接続の助動詞・7つの覚え方

過去の助動詞「き」

過去の助動詞「き」
【活用】
(せ)|◯|き|し|しか|◯
※未然形「せ」、連体形「し」、已然形「しか」に注意。

【接続】
連用形

【意味】
(1)過去:~た(直接体験の過去)
(例1)死にし子、顔よかりき。(土佐日記)
訳:死んだ子は、顔がきれいだった。
(例2)世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし(古今和歌集)
訳:世の中にまったく桜がなかったならば、春を過ごす人の心はのんびりと落ち着いていられるだろうに

過去・詠嘆の助動詞「けり」

過去・詠嘆の助動詞「けり」
【活用】
(けら)|〇|けり|ける|けれ|〇

【接続】
連用形

【意味】
(1)過去:~た(伝聞過去)
(例)竹取の翁といふ者ありけり。(竹取物語)
訳:竹取の翁という者がいたそうだ。

(2)詠嘆:~たのだなぁ、~なぁ、~ことよ
(例)さは、翁丸にこそはありけれ。(枕草子)
訳:では、やっぱり翁丸であったのだなぁ。

過去・詠嘆の助動詞「けり」判別のポイント
以下の方法で判別できる場合が多いので、解釈に悩んだら試してみてください。

詠嘆の「けり」
・書かれている内容が現在
・和歌に用いられている
・会話や心中描写の文末
過去の「けり」
・文の途中(文末以外)

強意・完了の助動詞「つ」

強意・完了の助動詞「つ」
【活用】
て|て|つ|つる|つれ|てよ

【接続】
連用形

【意味】
(1)完了:~た、~てしまった、~てしまう
(例)秋田、なよ竹のかぐや姫とつけつ。(竹取物語)
訳: 秋田は、(かぐや姫に)なよ竹のかぐや姫と(いう名前を)付けた。

(2)強意:きっと~、~てしまう
(例)門よくさしてよ。雨もぞ降る
訳:門をきっちり間違いなく閉めてしまいなさい。雨が降ったら大変だ。

(3)並列:~たり~たりして
(例)僧都乗っては降りつ、降りては乗っつ、あらまし事をぞし給ひける(平家物語)
訳:(俊寛)僧都は(船に)乗っては降りたり、降りては乗ったりして、乗って行きたいというようすをなさった。

強意・完了の助動詞「ぬ」

強意・完了の助動詞「ぬ」
【活用】
な|に|ぬ|ぬる|ぬれ|ね

【接続】
連用形

【意味】
(1)完了:~た、~てしまった、~てしまう
(例)三河の国、八橋といふ所にいたりぬ。(伊勢物語)
訳:三河の国の八橋という所に着いた。

(2)強意:きっと~、~てしまう
(例)見捨てたてまつりてまかる空よりも、落ちぬべき心地する。(竹取物語)
訳:あなたを見捨て申し上げて行く空から、悲しさで落ちそうです。

(3)並列:~たり~たりして
(例)浮きぬ、沈みぬ、揺られければ(平家物語)
訳:浮いたり、沈んだり揺られたので

「つ」「ぬ」の意味判別のポイント
①終止形「つ」「ぬ」を二つ以上並べて用いている→並列
②後に「む」「むず」「まし」「べし」「らむ」などの推量の助動詞を伴う→強意
③その他→完了

存続・完了の助動詞「たり」

存続・完了の助動詞「たり」
【活用】
たら|たり|たり|たる|たれ|たれ

【接続】
連用形

【意味】
(1)存続:~ている、~てある
(例)よろしう詠みたりと思ふ歌を、人のもとに遣りたるに、返しせぬ。(枕草子)
訳:上手に詠んだと思う歌を、人のところに贈ったのに、返事がなかった。

(2)完了:~た、~てしまった
(例)紫だちたる雲の細くたなびきたる。(枕草子)
訳:紫がかっている雲が細くたなびいている(のが趣がある)。

存続・完了の助動詞「たり」の意味判別のポイント
(1)存続の意味で訳して不自然ではない→存続
(2)その他→完了
存続の意味が基本で、完了の用法は少ないです。

希望の助動詞「たし」

希望の助動詞「たし」
【活用】
(たく)たから|たく・たかり|たし|たき|たけれ|○

【意味】
(1)希望:~たい、~てほしい
(例)屋島へ帰りたくは、一門の中へ言ひ送って、三種の神器を都へ返し入れ奉れ(平家物語)
訳:屋島へ帰りたいなら、(平家)一門の中へ連絡して、三種の神器を都へお返し入れ申しあげよ

【接続】
連用形

過去推量の助動詞「けむ」

過去推量の助動詞「けむ」
【活用】
〇|〇|けむ|けむ|けめ|〇

【接続】
連用形

【意味】
(1)過去推量:~ただろう
(例)昔こそ難波田舎と言はれけめ今は都引き都びにけり(万葉集)
訳:昔こそ難波田舎と言われただろうけれど今は京の様々なものを引いてきていかにも都らしくなったなあ。

(2)過去の原因推量:(どうして)~たのだろう
(例)京や住み憂かりけむ、東の方に行きて(伊勢物語)
訳:京が住みづらかったのだろうか、東の方に行って

(3)過去の伝聞・婉曲:~たとかいう、~たような
(例)向かひゐたりけむありさま、さこそ異様なりけめ。(徒然草)
訳:(医者に)向かって座っていたであろう様子は、さぞかし異様なものであっただろう。

過去推量の助動詞「けむ」の意味判別のポイント
(1)文末の接続助詞・終助詞の前→過去推量・過去の原因推量
(2)文の途中→過去の伝聞・婉曲

まとめ

今回の記事では、「連用形接続」の助動詞7つについて解説しました。
まずは7つの種類を語呂合わせで覚えたあとに、それぞれの意味や用法を押さえていくといいでしょう。
1つ1つを積み重ねることで、少しずつわかる助動詞が増えて読解のときにも内容を捉えやすくなりますよ。

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