新古今和歌集の内容と解説、和歌一覧|新古今集

新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)は鎌倉時代に編纂された勅撰和歌集で、通称を新古今集(しんこきんしゅう)と言います。

勅撰和歌集とは国家の繁栄や天皇の権威を示す為、天皇の下命によって編纂された和歌集の事で、新古今和歌集は後鳥羽院の時代、勅撰和歌集としては8番目に作られました。

今回はそんな新古今和歌集の歴史や成り立ち、内容についてご紹介したいと思います。


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新古今和歌集の歴史と成り立ち

新古今和歌集が編纂されたのは13世紀の事で、勅撰和歌集として作られました。
13世紀といえば源頼朝が平家を滅ぼして全国統一をした頃です。

新古今集の和歌を選ぶ中心には藤原定家(ふじわらのていか)もおり、定家自身の和歌も多く収録されました。
その優れた内容から、万葉集や古今和歌集と並び、日本を代表する歌集の一つとなっています。

【新古今和歌集の構成】(全二十巻)
真名序
仮名序
春(上下)

秋(上下)


哀傷
離別
羈旅
恋(一〜五)
雑(上中下)
神祇
釈教

新古今和歌集の数字

新古今集には396人の歌人の歌が収められており、歌の数は約2000首にも及びます。
その歌を部類配列して収めていますが、中でも多くの歌が収められた歌人は、西行です。

西行の歌は94首もあり、これは後鳥羽院をはじめ当時の人々から国民的な人気を受けての事でした。
他にも多くの歌が収められている歌人としては慈円(92首)、良経(79首)、俊成(72首)などもいます。

新古今和歌集の主な和歌一覧

新古今集の中でも有名な和歌をピックアップしてご紹介します。

夕月夜潮満ち来らし難波江の
蘆の若葉に越ゆる白波

藤原秀能

【意味】
空には夕方の月がかかり、潮が満ちてきたらしい。
難波江の蘆の若葉に寄せてきて、その上を越えてゆく白波よ。

ほのぼのと春こそ空に来にけらし
天の香具山霞たなびく

後鳥羽院

【意味】
ほのかに夜が明け、春はまず空にやってきたのだなぁ。
天の香具山にほんのりと霞がたなびいている。

風ふけば峰にわかるる白雲の
たえてつれなき君が心か

壬生忠岑

【意味】
風が吹くと峰から別れてゆく白雲のように、すっかり離れてしまったあなたの心であるよ。

風通ふ寝覚めの袖の花の香に
かをる枕の春の夜の夢

俊成卿女

【意味】
夜明けの風が部屋の中に吹いてきて、ふと目覚めた私の袖が花の香に薫る。
そして花の香りが漂う枕で見ていた、はかない春の夜の夢よ。

花は散りその色となくながむれば
むなしき空に春雨ぞ降る

式子内親王

【意味】
花は散り果ててしまい、特にどの色にひかれるという事もなく眺めていると、何もない大空から春雨が降っている。

五月闇短き夜半のうたたねに
花橘の袖に涼しき

慈円王

【意味】
五月の真っ暗な短い夜にうたたねから目を覚ますと、闇の中でもはっきりと風に運ばれてきた橘の花の香りが涼しげに袖に匂っている。

見渡せば花も紅葉もなかりけり
浦の苫屋(とまや)の秋の夕暮れ

藤原定家

【意味】
見渡すと春の花も秋の紅葉もないことだなぁ。苫屋が立っている海辺の、秋の夕暮れよ。

玉ゆらの露も涙もとどまらず
なき人恋ふる宿の秋風

藤原定家

【意味】
ほんのわずかな間でさえ、草木の露も私の涙も、とどまることなく散り落ちる。
亡き母を恋しく慕うこの家に激しく吹きつけている秋風のために。

忘るなよ宿る袂は変はるとも
かたみにしぼる夜半の月影

藤原定家

【意味】
忘れないで下さい。月の光が映っている袂は明日からは別々のものに変わったとしても、忘れ形見としてお互いに絞りあう、袂の涙に映った今夜の月の光を。

思ひあまりそなたの空をながむれば
霞をわけて春雨ぞ降る

藤原俊成

【意味】
恋しい気持ちに耐えかねて、貴方のいる方角の空をじっと見つめていると、立ち込めた霞を分けるようにして、細かな春雨が降っています。

面影の霞める月ぞ宿りける
春や昔の袖の涙に

俊成卿女

【意味】
あの人の面影が霞んで浮かぶ、そんな霞んだ春の月が宿っていることだ。「春は昔のままなのに…」と嘆いて流す、昔の袖の涙に。

忘らるる身を知る袖の村雨に
つれなく山の月は出でけり

後鳥羽院

【意味】
あの人に忘れられる我が身の運命を思い知って、袖に流す涙の村雨。そんな村雨が降っているにもかかわらず、無情な月がそしらぬ様子で山から出て、私をいっそう嘆かせることよ。

露払ふ寝覚めは秋の昔にて
見果てぬ夢に残る面影

俊成卿女

【意味】
枕に流れた涙の露を、こうして払い落とす秋の寝覚めは、あの人に飽きられた昔のままで変わらない。そして、つい今しがたまで見ていた出逢いの夢が途切れ、私のまぶたには、愛しいあの人の面影が残っている。

海ならずたたへる水の底までに
清き心は月ぞ照らさむ

菅原道真

【意味】
海どころではなく、もっと深く満たされた水の底くらいに、清らかで人に知られない私の心は、ただこの明るい月だけが照らし出してくれるのだろう。

まとめ|おすすめ書籍

いかがでしょうか。
今回は新古今和歌集の歴史や和歌一覧をご紹介しました。
その他については下記の関連記事を御覧下さい。


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