三島由紀夫の生涯と作品年表|憂国の作家

昭和と共に生き、昭和を代表する作家である三島由紀夫。
「金閣寺」や「仮面の告白」など数々の名作を残しました。

今回は三島由紀夫の生涯と作品についてご紹介します。

三島由紀夫の誕生

三島由紀夫(本名:平岡公威)は大正14年(1925年)1月14日、現在の東京都新宿区四谷に生まれました。
祖父の平岡定太郎は樺太庁長官を務めた後は実業家になった人物で、祖母も華族の系統につらなる家庭、父は東大法学部を出て農林省などに勤め、母は漢学者の家柄という家庭でした。

由紀夫が3歳の時に妹の美津子が、5歳の時に弟の千之(ちゆき)も生まれています。

昭和6年に学習院初等科に入学した三島は、その内向的な性格から周囲に馴染めずに読書に没頭していました。
そして13歳で学習院輔仁会雑誌に「酸模(すかんぼう)」という短編小説を書き、これが創作活動の始まりとなったのです。

勤労動員

学習院高等科を卒業する頃、海軍機関学校での訓練などをしていた三島は東大法学部に入ると中島飛行機工場へ勤労動員に行かされます。

昭和20年には召集令状をうけますが、肺結核と軍医に誤診されて徴兵免除に。
敗戦で勤労動員からも解放されると、「中世」と「煙草」の原稿を持参し川端康成の元を訪れます。
この2つの作品は数カ月後に雑誌「人間」に掲載されました。

作家の道へ

昭和22年に東大を卒業すると大蔵省に入りますが、翌年には退職。
作家を専業としていく覚悟を決めます。

昭和24年には河出書房から「仮面の告白」が刊行されると、三島は劇作家として戯曲も書いていきました。

昭和27年にはアメリカ大陸からヨーロッパへ渡り、ギリシャも訪れています。
ギリシャの明るい古典主義などに憧れを抱いた三島は、この頃からボディビルにも励んでいきます。

「禁色」や「潮騒」など創作に励んでいった三島は実際に起きた事件を題材にした「金閣寺」執筆に取り掛かり、昭和31年から「新潮」にて連載されました。

その後「金閣寺」が刊行されると第8回読売文学賞を受賞。
三島は文壇だけではなく、社会的にも著名な存在になっていきます。

昭和33年には、画家の杉山寧の長女・瑤子と結婚します。
そして「鏡子の家」「憂国」などを発表。

昭和40年になると戯曲「サド伯爵夫人」を書き、高い評価を受けました。
また、雑誌「批評」の復刊に伴って同人となった三島は「聖セバスチャンの殉教」を池田弘太郎と共訳して連載、続いて「太陽と鉄」も連載しています。
近代文学にありがちな弱者の精神主義に反し、肉体を鍛える”文武両道”の思想が生まれていったのです。

自らの作品が原作の映画「憂国」への出演、またノーベル文学賞候補にあがるなど、常にマスコミの注目を集めていった三島には”過剰演技”という批判も一部で起こっていました。

晩年

「新潮」の昭和40年9月号からは「豊饒の海」の第一部にあたる「春の雪」の連載が開始。
第四部までの長編作品となった本作は、三島由紀夫の最晩年を形づくった作品となりました。

昭和42年、三島は自衛隊に体験入隊します。
そして体験入隊した同志によって「盾の会」を結成しました。

昭和44年には東大全共闘主宰の討論集会に参加し討議を展開します。

そして昭和45年11月25日、「豊饒の海」最終回の原稿を編集者に渡した三島は盾の会メンバーと陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地へ向かいます。
総監部で自衛隊の決起を呼びかける演説をした直後、割腹自殺をしたのです。
その時三島は45歳。
まさに昭和の時代を生きた作家人生でした。

三島由紀夫のおすすめ作品とあらすじ

この章では三島由紀夫の主な有名作品とあらすじを一覧でまとめてご紹介します。

金閣寺


【内容あらすじ】
一九五〇年七月一日、「国宝・金閣寺焼失。放火犯人は寺の青年僧」という衝撃のニュースが世人の耳目を驚かせた。
この事件の陰に潜められた若い学僧の悩み――ハンディを背負った宿命の子の、生への消しがたい呪いと、それゆえに金閣の美の魔力に魂を奪われ、ついには幻想と心中するにいたった悲劇……。
31歳の鬼才三島が全青春の決算として告白体の名文に綴った不朽の金字塔。

潮騒


【内容あらすじ】
文明から孤絶した、海青い南の小島――潮騒と磯の香りと明るい太陽の下に、海神の恩寵あつい若くたくましい漁夫と、美しい乙女が奏でる清純で官能的な恋の牧歌。
人間生活と自然の神秘的な美との完全な一致をたもちえていた古代ギリシア的人間像に対する憧れが、著者を新たな冒険へと駆りたて、裸の肉体と肉体がぶつかり合う端整な美しさに輝く名作が生れた。

仮面の告白


【内容あらすじ】
「私は無益で精巧な一個の逆説だ。この小説はその生理学的証明である」と作者・三島由紀夫は言っている。
女性に対して不能であることを発見した青年は、幼年時代からの自分の姿を丹念に追求し、“否定に呪われたナルシシズム”を読者の前にさらけだす。
三島由紀夫の文学的出発をなすばかりでなく、その後の生涯と、作家活動のすべてを予見し包含した、戦後日本文学の代表的名作。

鏡子の家


【内容あらすじ】
世界の崩壊を信じる貿易会社のエリート社員杉本清一郎、私立大学の拳闘の選手深井峻吉、天分ゆたかな童貞の日本画家山形夏雄、美貌の無名俳優舟木収。
彼らは美の追究者なるが故にそれぞれにストイシズムを自らに課し、他人の干渉を許さない。
―名門の資産家の令嬢である鏡子の家に集まって来る四人の青年たちが描く生の軌跡を、朝鮮戦争後の頽廃した時代相の中に浮き彫りにする。

長編小説年表

西暦作品名
1947盗賊
1948
1949仮面の告白
1950純白の夜、愛の渇き、青の時代
1951禁色、夏子の冒険
1952につぽん製
1953恋の都
1954潮騒、女神
1955沈める滝、幸福号出帆
1956金閣寺、永すぎた春
1957美徳のよろめき
1958
1959鏡子の家
1960宴のあと、お嬢さん
1961獣の戯れ
1962美しい星、愛の疾走
1963肉体の学校、午後の曳航
1964絹と明察、音楽
1965春の雪
1966複雑な彼、三島由紀夫レター教室、夜会服
1967奔馬
1968命売ります、暁の寺
1969
1970天人五衰

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は三島由紀夫の生涯と作品についてご紹介しました。

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