伊勢物語(いせものがたり)は作者不明の歌物語で、平安時代に成立しました。
今回はそんな高校古典の教科書にも出てくる伊勢物語の中から「つひにゆく道」について詳しく解説していきます。
伊勢物語「つひにゆく道」の解説
伊勢物語でも有名な、「つひにゆく道」について解説していきます。
伊勢物語「つひにゆく道」の原文
昔、男、わづらひて、心地死ぬべくおぼえければ、つひにゆく道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを(*)
伊勢物語「つひにゆく道」の現代語訳
昔、男が、病気になって、今にも死にそうな気持ちになったので、(人間だれしも)人生の最後に行く道であるとは、以前から聞いていたものの、それが昨日今日のこととは思わなかったなぁ。
伊勢物語「つひにゆく道」の単語・語句解説
病気になって。
[つひにゆく道]
人生の最後に行く道。
[かねて]
以前から。
*伊勢物語「つひにゆく道」でテストによく出る問題
○問題:「を(*)」の意味は何か。
答え:問投助詞で、詠嘆の意味。
伊勢物語「つひにゆく道」の品詞分解
伊勢物語「つひにゆく道」の品詞分解をご紹介します。
昔、男、 | |
わづらひ | 四・用 |
て、 | 接助 |
心地 | |
死ぬ | ナ変・終 |
べく | 助動・推・用 |
おぼえ | 下二・用 |
けれ | 助動・過・已 |
ば、 | 接助 |
つひ | |
に | 格助 |
ゆく | 四・体 |
道 | |
と | 格助 |
は | 係助 |
かねて | 副 |
聞き | 四・用 |
しか | 助動・過・已 |
ど | 接助 |
昨日今日 | |
と | 格助 |
は | 係助 |
思は | 四・末 |
ざり | 助動・打・用 |
し | 助動・過・体 |
を | 間助 |
1.品詞名
(名詞・形容詞・形容動詞は品詞名省略)
連=連体詞
副=副詞
接=接続詞
感=感動詞
助動=助動詞
補動・補=補助動詞
2.活用の種類
四=四段
上一=上一段
上二=上二段
下一=下一段
下二=下二段
カ変・サ変・ナ変・ラ変=変格
ク・シク=形容詞
ナリ・タリ=形容動詞
3.活用形
未=未然形
用=連用形
終=終止形
体=連体形
已=已然形
命=命令形
4.助動詞の意味
使=使役
尊=尊敬
受=受身
可=可能
自=自発
打=打消
過=過去
詠=詠嘆
完=完了
強=強意
存=存続
推=推量
定=推定
意=意志
勧=勧誘
命=命令
仮=仮定
婉=婉曲
当=当然
適=適当
伝=伝聞
禁=禁止
不=不可能
願=願望
比=比況
例=例示
断=断定
存在=存在
過推=過去推量
現推=現在推量
過原=過去の原因推量
現原=現在の原因推量
反仮=反実仮想
打推=打消推量
打意=打消意志
打当=打消当然
5.助詞の分類
格助=格助詞
副助=副助詞
係助=係助詞
終助=終助詞
接助=接続助詞
問助=問投助詞
6.その他
尊=尊敬
謙=謙譲
丁=丁寧
(代)=代名詞
(枕)=枕詞
(音)=音便
(係)〜(結)=係り結び
など
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は伊勢物語でも有名な、「つひにゆく道」についてご紹介しました。
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