当サイトはアフィリエイト広告を使用しています。

金子みすゞの名詩集|生涯と作品|みすずの有名な詩8選

原稿用紙の画像|四季の美
Sponsored

金子みすゞ(かねこみすず)といえば、「大漁」や「こだまでしょうか」などの作品を残した詩人として有名です。
ACジャパン(公共広告機構)のCMでも金子みすゞさんの詩が使用され、話題にもなりました。

そこで今回は、金子みすゞさんの生涯と主な有名作品をご紹介したいと思います。

Sponsored

金子みすゞの生涯

金子みすゞは1903年(明治36年)4月11日に山口県大津郡仙崎村(現在の山口県長門市)に誕生しました。
父は本屋の店長をしていましたが、みすずが3歳の時に亡くなってしまいます。

23歳になったみすずは結婚し、1人の娘を授かりますが、4年で離婚。
夫の女性問題などが原因でした。

みすずは親権を要求し、夫も最初は受け入れていましたがこれを翻します。
その1ヶ月後にみすずは、娘を自分の母に託す事を要求した遺書を残して服毒自殺してしまいます。

わずか26年の短い生涯でした。

金子みすゞの主な有名作品

この章では、金子みすゞの有名な詩8つをご紹介します。

[関連]
金子みすゞの詩 朗読音声

私と小鳥と鈴と

私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のように、
地面を速くは走れない。

私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。

こだまでしょうか

「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。

「馬鹿」っていうと
「馬鹿」っていう。

「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。

そうして、あとで
さみしくなって、

「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。 

こだまでしょうか、
いいえ、誰でも。

誰も知らない野の果で
青い小鳥が死にました
  さむいさむいくれ方に

そのなきがらを埋めよとて
お空は雪を撒きました
  ふかくふかく音もなく

人は知らねど人里の
家もおともにたちました
  しろいしろい被衣着て

やがてほのぼのあくる朝
空はみごとに晴れました
  あおくあおくうつくしく

小さいきれいなたましいの
神さまのお国へゆくみちを
  ひろくひろくあけようと

星とたんぽぽ

青いお空の底ふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまで沈んでる、
昼のお星は眼にみえぬ。
  見えぬけれどもあるんだよ、
  見えぬものでもあるんだよ。
 
散ってすがれたたんぽぽの、
瓦のすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根は眼にみえぬ。
  見えぬけれどもあるんだよ、
  見えぬものでもあるんだよ。

誰にもいわずにおきましょう。

朝のお庭のすみっこで、
花がほろりと泣いたこと。

もしも噂がひろがって
蜂のお耳へはいったら、

わるいことでもしたように、
蜜をかえしに行くでしょう。

蚊帳

蚊帳のなかの私たち
網にかかったお魚だ。

青い月夜の青い海
波にゆらゆら青い網。

なんにも知らずねてる間に
暇なお星が曳きにくる。
夜の夜なかに目がさめりゃ
雲の砂地にねていよう。

大漁

朝焼け小焼だ
大漁だ
大羽鰮の
大漁だ。

浜は祭りの
ようだけど
海のなかでは
何万の
鰮のとむらい
するだろう。

夢売り

年のはじめに
夢売りは、
よい初夢を
売りにくる。

たからの船に
山のよう、
よい初夢を
積んでくる。

そしてやさしい
夢売りは、
夢の買えない
うら町の、
さびしい子等の
ところへも、
だまって夢を
おいてゆく。

まとめ|おすすめ書籍

いかがでしたでしょうか。
今回は金子みすゞの生涯と主な有名作品をご紹介しました。

金子みすゞさんの他の作品などは、JULA出版局さんの「わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集」で読む事が出来ます。
素晴らしい書籍ですので、是非購入して読んでみて下さいね。

近代文学人物
Sponsored
シェアする
四季の美をフォローする
Sponsored

関連

四季の美