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源氏物語「高麗人の観相」原文と現代語訳・解説・問題|世界最古の長編小説

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源氏物語(げんじものがたり)は1008年(寛弘五年)に書かれた世界最古の長編小説で、作者は紫式部です。
今回はそんな高校古典の教科書にも出てくる源氏物語の中から「高麗人(こまうど)の観相」について詳しく解説していきます。

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源氏物語「高麗人の観相」の解説

源氏物語でも有名な、「高麗人の観相」について解説していきます。

源氏物語「高麗人の観相」の原文

そのころ、高麗人の参れる中に、かしこき相人ありけるを聞こし召して(*)、宮の内に召さむことは、宇多帝の御誡めあれば、いみじう忍びて、この皇子を鴻臚館に遣はしたり。
御後見だちて仕うまつる右大弁の子のやうに思はせて率て奉るに、相人驚きて、あまたたび傾きあやしぶ。

「国の親となりて、帝王の上なき位にのぼるべき相おはします人の、そなたにて見れば、乱れ憂ふることやあらむ。朝廷のかためとなりて、天の下を輔くる方にて見れば、またその相違ふべし。」

と言ふ。
弁も、いと才かしこき博士にて、言ひ交はしたることどもなむいと興ありける。

文など作り交はして、今日明日帰り去りなむとするに、かくありがたき人に対面したるよろこび、かへりては悲しかるべき心ばへをおもしろく作りたるに、皇子もいとあはれなる句を作り給へるを、限りなうめで奉りて、いみじき贈り物どもを捧げ奉る。
朝廷よりも多くの物賜はす。

おのづから事ひろごりて、漏らさせ給はねど、春宮の祖父大臣など、いかなることにかと思し疑ひてなむありける。
帝、かしこき御心に、倭相を仰せて思しよりにける筋なれば、今までこの君を親王にもなさせ給はざりけるを、相人はまことにかしこかりけりと思して、無品親王の外戚の寄せなきにては漂はさじ。

わが御世もいと定めなきを、ただ人にて朝廷の御後見をするなむ行く先も頼もしげなめることと思し定めて、いよいよ道々の才を習はさせ給ふ。
際ことに賢くて、ただ人にはいとあたらしけれど、親王となり給ひなば世の疑ひ負ひ給ひぬべくものし給へば、宿曜の賢き道の人に勘へさせ給ふにも同じさまに申せば、源氏になし奉るべく思しおきてたり。

源氏物語「高麗人の観相」の現代語訳

その頃、高麗人が(わが国に)参上していた中に、優れた相人がいたのを(帝が)お聞きになって、宮中に(外国人を)お呼び寄せになるようなことは宇多天皇の御遺誠があるので、非常に人目を避けてこの皇子(=光源氏)を鴻臚館にお遣わしになった。

(光源氏の)ご後見役のようにしてお仕えする右大弁の子のように思わせてお連れ申しあげると、相人は驚いて、何度も首をかしげて不思議がある。

「(この方は)国の親となって、帝王という無上の地位にのぼるはずの相がおありになる方だが、その(=帝位にのぼるという)方面で判断すると、(国が)乱れ(人々が)嘆くことがあるかもしれない。朝廷を支える高官となって、天下の政治を補佐する方として見ると、やはりその相とは一致しないだろう。」

と言う。
右大弁も、たいそう学才の秀でた人であって、(相人と)語り合ったさまざまなることはまことに興趣が深かった。

漢詩などを互いに作り合って、(相人が)今日明日にも帰国しようとする時に、このようにめったにない人(=光源氏)に会った喜びは、(すぐお別れするため)かえって悲しいにちがいない気持ちを趣があるように(漢詩に)作った所、皇子(=光源氏)もたいそうしみじみとした趣のある詩句をお作りになったので、(相人は)この上なくお褒め申しあげて、素晴らしい様々な贈り物を(光源氏に)献上し申しあげる。
朝廷からも(相人に)多くの品物をお与えになる。

自然と(観相の)ことが世間に広まって、(帝は)お漏らしにならないけれども、皇太子の外祖父にあたる右大臣(=弘徽殿女御の父)などは、どういうことであろうかと疑わしくお思いになっていた。

帝は、畏れ多いお心によって、日本流の観相をお命じになって(高麗人の相人の言ったことはすでに)思いつきなさっていたことであるから、今までこの君(=光源氏)を親王にもなさらなかったのだが、(この高麗人の)相人は実に賢いものだなあとお思いになって、(光源氏を)位階をもたない親王で母方の親戚の後ろ盾がない状態で不安定な立場にはおくまい、自分の治世も(いつまで続くか)全く定まっていないから、臣下として朝廷の補佐をするのが将来心強そうに思われることだとお気持ちを固めなさって、ますます政治家として必要な、多方面にわたる学問を習わせなさる。

(光源氏は)格別に賢くて、臣下にするにはまことに惜しいけれども、親王におなりになったならば(天皇の位につかれるのではないかと)世間の疑いをきっとお受けになるにちがいなくていらっしゃるので、占星術の優れた専門家に吉凶を判断させなさっても(高麗人の相人と)同じように申しあげるので、(光源氏を臣籍に下して)源氏にし申しあげようと心にお決めになった。

源氏物語「高麗人の観相」の単語・語句解説

[聞こし召して]
お聞きになって。

[いみじう忍びて]
非常に人目を避けて。

[御後見だちて]
ご後見役のようにして。

[率て奉る]
お連れ申しあげる。

[傾きあやしぶ]
首をかしげて不思議がる。

[興ありける]
興趣が深かった。

[ありがたき人]
めったにない人。

[おもしろく]
趣があるように。

[めで奉りて]
お褒め申しあげて。

[思しよりにけるすぢ]
思いつきなさっていたこと。

[あたらしけれど]
惜しいけれども。

[勘へさせ給ふにも]
吉凶を判断させなさっても。

[思しおきてたり]
心にお決めになった。

*源氏物語「高麗人の観相」でテストによく出る問題

○問題:「聞こし召して(*)」の主語は誰か。
答え:(桐壺)帝。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は源氏物語でも有名な、「高麗人の観相」についてご紹介しました。

その他については下記の関連記事をご覧下さい。

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