枕草子「村上の先帝の御時に」原文と現代語訳・解説・問題

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1001年(長保3年)頃に書かれた随筆、枕草子(まくらのそうし)。
作者は清少納言です。
今回はそんな高校古典の教科書にも出てくる枕草子の中から「村上の先帝の御時に」について詳しく解説していきます。

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枕草子「村上の先帝の御時に」の解説

枕草子でも有名な、「村上の先帝の御時に」について解説していきます。

枕草子「村上の先帝の御時に」の原文

村上の先帝の御時に、雪のいみじう降りたりけるを、様器に盛らせ給ひて、梅の花をさして、月のいと明かきに、

「これに歌よめ。いかが言ふべき。」

と、兵衛の蔵人に給はせたりければ、

「雪・月・花の時」と奏したりけるをこそ、いみじうめでさせ給ひけれ。

「歌などよむは世の常なり。かく、折に合ひたることなむ、言ひがたき。」

とぞ仰せられける。
同じ人を御供にて、殿上に人候はざりけるほど(*)、たたずませ給ひけるに、火櫃にけぶりの立ちければ、

「かれは何ぞと見よ。」

と仰せられければ、見て帰り参りて、

[わたつ海のおきにこがるる物見れば あまの釣りしてかへるなりけり]

と奏しけるこそをかしけれ。
蛙の飛び入りて焼くるなりけり。

枕草子「村上の先帝の御時に」の現代語訳

村上先帝の御代に、雪がたいそう降ったのを、白色の陶器の器にお盛りになって、(それに)梅の花をさして、月がとても明るい夜に、

「これについて歌をよみなさい。どのようによむのがよいか。」

と、兵衛という女蔵人にくださったところ、(兵衛の蔵人が)「雪・月・花の時」(白氏文集の一句)とお答え申し上げたのを、たいへんおほめになった。

「歌などをよむのはありきたりだ。このように、その折にぴったり合ったことこそ、なかなか言えないものだ。」

とおっしゃったということだ。
同じ人(兵衛の蔵人)をお供にして、殿上の間に誰も人がお控え申し上げていなかったとき、(帝が)たたずんでいらっしゃったところ、火鉢に煙が立ちのぼっていたので、

「あれは何(の煙)であるか見てきなさい。」

とお言いつけになったので、(兵衛蔵人が)見て戻って来て、

[海の沖に漕がれている物を見ると、海人が釣りをして帰るところでした。(火鉢の赤くおきた火に焦げている物を見ると、それは蛙でした。)]

と申し上げたことこそおもしろい。
蛙が(火鉢に)飛び込んで焼けているのであったよ。

枕草子「村上の先帝の御時に」の単語・語句解説

[いみじう]
たいそう。

[盛らせ給ひて]
お盛りになって。

[給はせたりければ]
くださったところ。

[奏したりける]
お答え申し上げた。

[たたずませ給ひけるに]
たたずんでいらっしゃったところ。

*枕草子「村上の先帝の御時に」でテストによく出る問題

○問題:「殿上に人候はざりけるほど(*)」とはどういう意味か。
答え:殿上の間に誰も人がお仕えしていなかったとき。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は枕草子でも有名な、「村上の先帝の御時に」についてご紹介しました。

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